【14号】生理痛(月経痛)のセルフケア

生理痛(月経痛)のセルフケア

 

【生理痛(月経痛)について 】
1.生理痛とは
生理痛とは、月経痛のことです。月経痛の原因は、月経困難症です。
月経困難症には、➀機能性(原発性)月経困難症と➁器質性(続発性)月経困
難症があります。セルフケアの対象は、機能性月経困難症による生理痛です。
生理痛については、図に示すように全くない女性もいますが、程度の差は
ありますが約80%の女性が訴えています。若い女性で症状が強い場合、
月経前緊張症(PMS)の可能性があります。
2.機能性月経困難症とは
骨盤内に器質的な病変が無くて、月経困難症をきたすものです。
子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的な病変による月経困難症は、器質的月経
困難症といい、この場合は婦人科やレディースクリニックなどの医療機関での治療が必要です。
機能性月経困難症の主要な症状は、生理痛と月経随伴症状です。機能性月経困難症によって発症する生理痛は、月経直前ないし月経時の下腹痛や腰痛などです。月経随伴症状として、腹部膨満、悪心・嘔吐、頭痛、下痢、脱力感、食欲不振、イライラなどを伴うことがあります。
3.機能性月経困難症と器質性月経困難症の見分け方
機能性月経困難症の場合は、初経後6~12か月程度経過した後に発症することが多く、結婚や妊娠・出産により軽快ないし全快します。月経痛は、月経直前または月経第1日目に現れます。
一方、器質性の場合は初経後大凡5年以上経過して発症するものが多く、20代後半から30代にかけては子宮内膜症が、30代後半以降に初発するものは子宮腺筋症、子宮筋腫等が多いです。すなわち数年間ないし十数年間、月経痛がなかった人が月経痛を発症した場合、帯下や不正性器出血を伴う場合は器質性月経困難症を疑い、速やかに専門医への受診を勧めます。なお、機能性月経困難症と器質性月経困難症の割合ですが、ほぼ半々です。
4.どのようにして生理痛が発症するのか
機能性月経困難症による生理痛は、幾つかの原因物質が指摘されていますが、その中で有力なのが子宮内膜から分泌されるプロスタグランデインF2αです。この物質が増えると子宮筋は過剰に収縮し、子宮を支配する子宮動脈等の血管を圧迫して子宮筋の虚血状態を発生されます。この虚血による痛みが生理痛です。
5.生理痛に長年煩わされている場合、症状が強い場合、精神症状が強い場合
一度、専門医に診てもらって下さい。月経前不快気分障害(PMDD)やうつ病の可能性もあります。

【東洋医学からみた生理痛とツボによるセルフケア】
東洋医学では、月経痛を「痛経」といいます。痛経の原因は、冷えやストレス、食事の不摂生による気血の滞りや不足によります。従って冷えへの対処とストレス緩和及び食生活の改善がポイントになります。基本は三陰交のツボに指圧、温灸、爪楊枝鍼、貼るハリ(市販のパイオネックスゼロ)を行いましょう。下腹部に冷えがある場合は関元に温灸、小さめのカイロで温めましょう。足の冷えには三陰交に温灸を行いましょう。左下の図は、三陰交に皮内鍼(皮下に小さな鍼を横に刺す)の
効果を示します。月経開始前1週間前からセルフケアしてください。