【第9号】鼻アレルギーのセルフケア

鼻アレルギー:アレルギー性鼻炎は増えている

鼻アレルギーの代表疾患が、花粉症です。スギ花粉症、ヒノキ花粉症の季節は終わりました。これらの疾患は、いわば季節病ですので、その季節が過ぎると症状は消退します。しかし、花粉症の季節と関係なしに鼻閉(鼻づまり)、鼻漏(鼻水)に悩まされている人も沢山います。その原因は、通年性のアレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎は2人に1人と言われています。下のグラフはアレルギー性鼻炎の有病率を示します(鼻アレルギーの全国疫学調査 : 2019:目耳鼻123,2020:485-490より引用)。グラフで分かるようにアレルギー性鼻炎は年々増加傾向にありす。それは花粉症であれ、通年性アレルギー性鼻炎であれ、増えています。何故、増えるのか、その原因は、ひとつには自然に治らないために患者数が蓄積していくからです。それに加えてストレス、不良な生活習慣、疲労等の要因か関与しているとの指摘があります。なお通年性はイエダニやハウスダストが原因です。

アレルギー性鼻炎の発生機序は

アレルギー反応により鼻炎の症状が発生します。アレルギーには、4つのタイプがあります。本症はⅠ型アレルギーです。つまり抗原(アレルゲン:スギ、ヒノキ、イエダニなど)に暴露されると、左図(九州大学JSTのHPより引用)のように、その抗原に対する抗体(IgE)ができます。この抗体はマスト細胞の表面につきます。再び抗原に暴露されると抗原はマスト細胞の抗体と結合し、マスト細胞からヒスタミンを分泌させ、鼻粘膜に炎症を発生させます。そのために鼻粘膜は腫脹して鼻閉と鼻漏、そしてくしゃみを引き起こします。

 

アレルギー性鼻炎の対処法について

1)アレルゲンを遮断します。花粉症の場合、マスクをします。通年性の場合、イエダニやハウスダストが溜まらないように室内を掃除します。特に布団のダニを取り除くことが大切です。ダニの死骸も抗原になります。
2)鼻をすっきり通す「鼻うがい」をしましょう。すなわち鼻に水を入れて口から出す洗浄方法です。難しいと思う方は鼻に入れた水を鼻から出してもよいです。鼻うがい用のボトル(市販)があります。
3)基本は、ストレスを溜めない、生活リズムを調えることが肝心です。
4)寝る前は、鼻が乾燥しないように加湿器などを室内に置くこと、また風呂に入ると鼻通りが゜よくなります。その後は身体を冷やさないようにして寝るとよいです。
5)アルコール類の飲酒は、鼻粘膜を充血させますので控えましょう。

鼻閉、鼻漏のツボ療法

セルフケアのツボとして、 使用経穴は鼻通点、迎香、印堂、百会、合谷を推奨します。
迎香(げいこう) は小鼻の傍ら(鼻唇溝の中)
鼻通(びつう)は小鼻の上端印堂(いんどう)は、眉間の中央

合谷(ごうこく)は、親指と人差し指の間で人差し指側

 

 

 

 

これらのツボを指先で指圧します。

特に鼻閉(鼻づまり)には、迎香、鼻通をズーンとした感じが起こる程度の強さで刺激してみてください。スート鼻が通ります。
鼻漏(鼻水)には印堂を刺激します。また合谷は鼻閉にも鼻漏にも効果が期待できます。